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分類のおさらい

国産紅茶の風味・味分類には大きく3つに別れます。

  • 香ばしい味
  • 華やかな味
  • 深く濃い味

香ばしい味は、玄米のような穀物を連想するような優しい香りで
華やかな味は、花や若草のようなさわやなだったりほんわかするような香りで
深く濃い味は、渋みがきっちりとどっしりした香りと深い味わいの紅茶です。

自分が今現在持ち得るストック89茶園180商品の中で、
該当をするものを紹介して、それらをひと目でわかりやすくまとめることで
今後の参考に役立てて欲しいなと思ってます。

なお、当ショッピングサイト『京都紅茶道部紅茶仲介部』でも購入可能なものも
書いていきますので、そちらも合わせてよろしくお願いいたします。

『香ばしい味』の考察

このタイプは、『日本の食を思わせる香ばしい風味』です。
僕は、玄米らしい香りと言いましたが、例えば藁の燃やしている時の香りとか
田舎の納屋の香りとか土の匂いとかそういう『田舎の香り』と対になることが多いです。
思いつくのは、具体的なものではなく風景とか場所とか建物とか
そういうものとのイメージの整合が高いです。

~【奈良】葉香製茶2012紅月~
毎度お世話になっている葉香製茶さんの紅月という紅茶です。
この他に『100年在来』ってのもあるんですが、両方共香ばしいタイプです。
ここは香ばしさが特に強調される傾向にあり、好みによっては好き嫌いははっきりする紅茶です。
ですが、食べ物との相性は抜群で、濃さを調整することで食べ物の味を終わりまで引き立て続ける名脇役的な紅茶になります。
濃く感じたら、ためらわずに差し湯をしましょう。

~【石川】:加賀の紅茶~
こちらは現在『茶レンジの会』の加賀の紅茶です。
『和紅茶』という名称の生みの親の方が主催されているチームの紅茶です。
地元金沢(僕の地元という意味でも)の食文化との相性を一番に考えた風味を目指しているそうで、
香ばし目の香りなのですが、強く自己主張をするタイプではなく、穏やかな香りの立ち方をします。
いつもお世話になっている小林茶舗さんでも買えるのですが、観光に行かれた際は
小林さんのある住宅地よりも行きやすい竪町商店街内にある野田屋茶舗さんに言って、ほうじ茶パフェといただくのが
いいかと思います。
他にも金沢らしいデザートが置いてありますので、金沢に行かれた際には是非。(何故か金沢案内)

~【島根】西製茶所:出雲国の紅茶~
西製茶所さんは、この紅茶は、香ばしい味の紅茶なのですが、他の商品のべにふうき、べにひかりは、番茶系ではなく、べにふうきは『深く濃い味』系になり、べにひかりは『香ばしい』と『華やか』の間ぐらいの紅茶です。
ライトな香ばしさから始まって、時間の経過に合わせてどんどん濃くなっていく『頂点が見えないのではないのか』と思うくらい香ばしさが溢れてきます。
にもかかわらず、渋さなどが顔を出さず、安定して飲むことができます。
こちらもお菓子が欲しくなる紅茶です。

~【高知】香ル茶園:香ル茶~
高知県で作られているこの香ル茶は、ほんのり甘酒・酒粕のような香りがします。
香りだけでちょいとお腹がすいてくるのですが、お菓子との相性は抜群です。
渋みも控えめで、そのまま茶葉をおいてても安心して飲めます。

~【岡山】富原製茶組合:かつやま紅茶(在来)~
玄米茶とかそういうわけではないのですが
『コメの国からきました』という感じがいっぱいの紅茶です。
この記事にも書いてあるのですが、食べ物との相性はよく、リセット能力は抜群です。
これが極めば、『和製ルフナ』と言えるような『深く濃い味』系の紅茶になるのではいかと思ってます。

『華やかな味』の考察

このタイプの特徴は『植物や果実のような香りが立ち上る』というものです。
日本のお茶、紅茶ではなかなか見受けられないのですが、香りを重視する中国・台湾などの『中華系紅茶』にはよく見られる傾向です。
日本でもその傾向を再現できないかと、色々な方がチャレンジしています。
なかでも、味の調整にうまくいき、華やかで艶やかな香りを立ち上らせることに成功した茶園さんも数多く出てきています。

~【大分】山片茶園:かなやみどり~
いつもおなじみ山片茶園の主な紅茶はここの『華やかな味』に相当しています。
華やかな香りのものもあれば、若草のような香りのものもあります。
全体的に、ダージリンの紅茶に近い紅茶を仕上げてきます。
ただ物によってはスモーキーでどっしりしていたり、焙煎キツめで甘く香ばしいものを仕上げてきたりと、バラエティに富んだ仕掛けをしてくることもあります。
彼のところの紅茶を仕掛ける能力は本人の自己評価以上に高いです。

~【京都】永谷農園:永谷の手作り宇治紅茶~
永谷さんの紅茶は、京都の紅茶です。
100年以上育てている在来から作っているのですが、
樹勢が弱いらしく年1回しか製茶できないそうです。
師匠筋は舞鶴の『やっさんの茶山の手づくり紅茶』(別名鯨くじらの紅茶)であるそうで、こちらと同じように若い華やかな花びらそのものの香りがします。

~【静岡】益井園:みらいふぁすとふらしゅ~
益井園さんは、総じて『台湾紅茶』のような紅茶を目指していらっしゃいます。
香りが華やかでシーズンによって味が違う。
例えばこの『みらいふぁすとふらっしゅ』は渋みが軽く、香りが軽やかに広がる。
同社の『かおりふぁぁすとふらっしゅ』、『みおぷれみあむ』も同じように香りが中心。
それが『~せかんど』になると、香りが丸く落ち着く反面、
渋みを中心にお茶としての存在感を増します。
実に、紅茶としてのクオリティーは高いです。

~【岐阜】庵・花茶:春日の紅茶 和香葉(オータム)~
お茶としては白川茶というお茶の産地ではありますが、なかなかマイナーな産地であります。
ここの特徴はきりりとした渋さに華やかな香りなのですが、ほんのりスモーキーさが見え隠れしてます。
渋みもきついわけではなく、すごく軽く、香りを楽しめる紅茶です。
持続力もそこそこあり、ポットで淹れると、しばらく延々と香りが持続されます。
岐阜県というお茶の産地としては谷間の地域ではありますが、有望です。

~【大分】杵築紅茶:べにたちわせ~
杵築紅茶は日本でも名を知られている有名茶園で、ここも茶産地としては谷間の地域の大分県で作られています。
多分、お茶的には映画『種をまく人』とここきつき紅茶以外はほぼ無名と言っても過言ではないでしょう。
戦前からの技術をそのまま継承しつつ、さらなる発展を遂げた紅茶で、色目鮮やかで、香りも良いそうなほどのファーストフラッシュの花の香りが漂います。
味も軽めではありますが、きっちりしていてサラリと飲めます。
これが時間が経つとより存在感を増し、海外の紅茶と並べても全く負けることのない力強い紅茶です。

~【静岡】浜佐園:わらしな紅茶~
静岡で緑茶の敵『ウンカ』に噛ませる環境下で育てた茶葉と、日本でもいち早く台湾烏龍茶を作ってきた茶師さんとの製造で出来上がった東方美人を目指して作った紅茶です。
香りはほぼ『マスカテルフレーバー』が立ち上り、上質な台湾紅茶そのもの。
その中でも特に上質なものは、『山の宝珠』として販売され、より香りも味も際立っています。
国産紅茶を飲む上では、こちらも避けてはならない紅茶の一つです。


項目を2つ紹介してきましたが、非常に長くなってしまったので、続きは『後編2』として書いていきたいと思います。
次の更新をお楽しみください。

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