日本における紅茶の市場
まず、比較するときには、統計データというのが必要です。
日本の紅茶事情というのをデータで示してみましょう。
紅茶輸入量:16,638.454t(2012年確定輸入量:参考:日本紅茶協会)
世帯当たりの紅茶消費量:252g(平成22~24年家計調査:参考:総務省統計局)
金額に関しては、手を付けません。
価格の付け方で上下することと、輸入金額≠購入金額だからです。
現在の国産紅茶の状態
対して国産紅茶はどうでしょう。
といっても、実は細かいデータがありません。
2010年に94tと発表されてます。
今は、2012年時点で『100tぐらい』と考えられてます。
マーケット占有率でみる国産紅茶の未来
今現状で考えると国産紅茶は海外の紅茶の1/166ということになります。
一時は8500tまで達していた事を考えると、ほぼ全滅していたことがわかると思います。
それをどういう目標で浸透させていくか考えて行きましょう。
ここでは、代表的な手法の『ランチェスターの戦略』を元にマーケットシェアについて考えて行きたいと思います。
なお、ランチェスターの戦略に関しましてはここでの詳しい説明は省かせていただきます。ご興味のある方は、検索もしくは書店にてよろしくお願いいたします。
なお、ランチェスターの基本は『3:1で戦う』事です。
ランチェスターの戦略において、『市場占拠率目標数値モデル』というのが設定されています。
- 拠点目標値:3%(スタートからの最初の目標値)
- 存在目標値:7%(下限の中での26%)
- 影響目標値:11%(下限の中での42%)
- 上位目標値:19%(下限の中で74%)
- 下限目標値:26%(全体の中で自分1:他者3)
- 安定目標値:42%(上限と下限の中間)
- 上限目標値:74%(全体の中で自分3:他者1)
これをお茶業界、紅茶業界全体で合わせて考えていきたいと思います。
まず、紅茶業界の立ち位置ですが、日本全体の茶の緑茶の国内供給量は生産量8,5900t(平成24年)、輸入量は41590t、輸出は3277tで差引12,4213tあります。
その中における、紅茶の割合は13%で、影響目標と上位目標の間くらいに位置しています。
このことが意味するのは、茶業界全体の中で一定の影響力を持つ商品であることを意味しますが、絶対的な支配力があると言う事を意味しません。
(参考:農林水産物輸出入概況(2012年))
では、国産紅茶はどうかと言いますと、紅茶全体で言えば、0.6%で存在すら認識されていません。
多分批判される人も多いと思いますが、それは業界内の情報であって、実際に消費される一般市場としては、認知度がほぼ皆無と言って間違いありません。
ではどうして戦っていくのかと言いますと、当面市場割合3%(約500t)を目指すところからスタートになります。
ただ単に生産量を増やしても解決にはなりません。
認知され消費されていくことが大前提です。
大規模は販売は向かない量ですので、地域消費を活発化させて『地紅茶』としての定着が最善と言えるでしょう。
僕自身は、国産紅茶の業界は伸びて11%(約1700t)までと考えています。
第一には、日本のお茶の主戦場は緑茶であると言う事。
第二に、紅茶のコストそのものが輸入物には勝てない現状であると言う事
第三に、品質面で国内での最低品質品が世界では戦えない事があります。
ですが、国内消費、地紅茶としての消費と茶の非生産地域での流通での消費があれば、市場における影響力を与えれる割合11%の確保はできると思ってます。
少ないと思うかもしれませんが、1kg:1万円(100g1000円)で換算しますと、国産紅茶は11%時点で183億の市場になります。
夢のない話ではないと思いますので、僕はこれから伸び行く可能性のある国産紅茶を応援し続けていきたいと思います。