和紅茶 ・ 国産紅茶 情報サイト 京都紅茶道部|和紅茶 ・ 国産紅茶 の為の総合情報ポータルサイト

京都紅茶道部

下落する茶葉価格

鹿児島県茶市場一番茶 平成最安値下回る:中日新聞

鹿児島県茶市場(鹿児島市)がまとめた2013年の取引実績によると、煎茶用の一番茶(本茶)は1キロ当たりの平均単価が1952円。平成に入って最安値だった2001円(09年)を2%下回った。
 用途が広い番茶の単価を含めた一番茶全体は1722円で、最安値(同)の1676円を上回ったが、2番目の安さ。年間平均単価は925円で、最安値(同)の888円より高かったものの、2番目の安さとなった。
 主力の一番茶の「数量減、単価安」が影響した。数量減は、4月の冷え込みなど前年秋から春までの天候不順で、芽伸びが抑えられたのが響いた。
 単価安は、生育期が例年より早く新茶ムードが高まらなかったことや、生産前半の葉の色乗りの悪さ、問屋在庫の過多が要因という。
(リンク先引用)
※なお、リンク先には、2012年と2013年の取引実績の表有り。比率もありますので、ご一見のほど。

茶葉離れと価格下落とペットボトルの台頭

全部リンクしていそうで実に怪しい項目でもあります。

茶葉離れ→価格が下がる
価格が下がる→ペットボトルに使われる
ペットボトル売れる→茶離れ??

お茶は飲まれているわけです。
ただ、皮肉なことに、ある時期に一般的な茶葉の価格はペットボトルの引き取り価格よりも高いはずが、ペットボトルの引き取り価格の方が高くなったという現象が起こりました。
茶葉の価格は、その時の需要によって推移します。
これが『茶葉離れ』の目に見える結果です。
ペットボトルは、安い茶葉を買う事ではなく、年中安定して仕入れる事が重要なので、一定の価格で仕入れをします。
結果として、価格が安定しているペットボトル用の茶葉の価格が高くなるという現状が起こります。

去年は、春先に気温が低くなったこともあり一番利益を確保しないといけない一番茶の収穫が全国的に遅れたという事がありました。
毎年、一番茶の初セリの時が一番高く、そのあと価格は一気に下がっていき、2番茶の時には低い価格を年の終わりまで継続されます。
それが昨年はさらに低かったという結果です。
茶葉価格の下落は収益の下落につながり、茶農家の生活を直撃しております。
ですが、もはやお茶は一部の高級茶葉と圧倒的多数の低価格茶葉で構成されいる以上、このスタイルで経営するには、少ない人員で圧倒的大量に生産できる体制を作っていくか、別に利益の取れるものを作るかしか選択肢が残されておりません。

今のお茶の消費量・消費スタイルを考えると、これが今のままでは改善されるとは思いません。
人はペットボトルのお茶でご飯を食い、一部のおもてなしの時に高級茶葉を淹れる。
別の選択肢として、限りなく直販に近い形で紅茶を売るという事もできます。
直販に近いという形であるなら、緑茶も行けます。
ですがみんなそういう事が出来るわけではなく、結果として、大量に作って市場に流すか問屋に多く引き取ってもらう方が合理的なのです。

誰が悪いわけではありませんが、このままでは茶農家は茶業を辞めていくのは目に見えています。
出口・消費側を変えるか、それとも生産側を変えるか。
茶の生産が消滅しないための分岐点の時代に今いるのだといえるでしょう。

僕は、国産紅茶での応援を継続します。
紅茶も緑茶も、日本からお茶をなくさないために重要な商品ですから。

メルマガ購読・解除