89茶園180商品の国産紅茶を飲んだ分析
国内には、去年ベースで約400茶園そして1000商品以上の国産紅茶が全国にあると言われています。
今年開催された地紅茶サミットin嬉野温泉にて、
最新データが発表されているので、もっと増えているかもしれません。
去年のデータをベースに考えましたら、僕の試飲した割合は、全国の20%に達する事になりました。
全部制覇したわけではないですが、2割を超えたので、
一度国産紅茶のテイスティングの分類を僕なりにしてみたいと思ってます。
国産紅茶専門家による3つの分類
この『国産紅茶専門家』というのは、僕ではなく、
佐賀県で日本初の国産紅茶専門店をされている
『国産紅茶専門店 紅葉~くれは~』の岡本さんによるものです。
岡本さんの著書『和紅茶の本』には国産紅茶はこのように分類されています。
- 滋納:一般的な国産紅茶の味
- 清廉:台湾烏龍茶やダージリンを目指した味
- 望蘭:インドやスリランカをめざした味
岡本さんほどではないですが、僕も多く飲んだ結果似たような感想に至りました。
僕の場合は、岡本さんのように適用な単語を選択できませんでしたので、
感じたままをそのまま受けれ取れるように、分類することにしました。
1,香ばしい味
一般的な緑茶品種で作られた国産紅茶は大体ここに分類されます。
岡本さんの分類では『滋納』に分類されます。
ほうじ茶や番茶に似た香りがして、玄米など穀物に似た香りがします。
香りに丸みを感じる物は、甘酒などの香りになります。
日本のご飯を連想させる香りが特徴で、口に含んだ時に、渋みがほぼ感じられず、
仄かに甘さを感じます。
よく『優しい味の紅茶』とか『砂糖を入れなくて良い紅茶』などと言われます。
これは言葉のアヤで、実際に砂糖や牛乳などを淹れると
途端に水っぽくなったり、風味負けをしてしまうなど、地力の弱い紅茶と言えます。
ただ、この種類の紅茶は、少し濃い目に淹れて氷で急冷却したアイスティーにすると
ガムシロップなどに負けない香ばしく香り高い酷暑向けのアイスティーになります。
また、軽く砂糖を入れてレモンを絞ると美味しいレモンティーになります。
個人的検証では『レモン味の飴を溶かす』ことに対する相性は抜群でした。
意外と隠れた才能が発揮されるタイプです。
2,華やかな味
花や若草のような香りがする紅茶です。
品種は緑茶品種でも紅茶品種でもあり、これは製茶の技術によって生まれる
『茶師さんの技術』の結晶と言えるものです。
岡本さんの分類では『清廉』に分類されます。
お湯を注いだ段階で香りだすので、淹れてて実に楽しいです。
この紅茶も砂糖を入れなくて良いタイプなのですが、
砂糖を入れて負けるということはありません。
ただ、甘さが香りを楽しむという行為の邪魔になる可能性がありますでの、
砂糖を入れずに飲まれることをおすすめしています。
同時に牛乳も風味でバッティングするので、好みですがおすすめしてません。
まさしく『香りを飲む紅茶』といえるタイプです。
3,濃く深い味
例えば、『濃くて甘い香り』や『深くスモーキーな香り』、
そして『コーヒーのような濃い香ばしさ』などがする紅茶です。
岡本さんの分類では、『望蘭』に分類されます。
この紅茶はカップに注いだ時に、その場を一気に染め上げるような香りの立ち方がします。
『これは渋いぞ』という期待感を飲まずに持てます。
このタイプは海外の紅茶と並べても全く力負けをせず、砂糖や牛乳を入れても個性を失わず、
ものによってはチャイ(煮出しミルクティー)にしても、その存在感は損なわれません。
地力が強くパワフルな紅茶です。
このタイプは海外の方に『これはセイロンの紅茶か?』と言われることもしばしばありますが、
強い飲み物を好まない方には向きません。
ですが、朝からがっつりモーレツに気合を入れたい場合など最適なタイプの紅茶です。
その国産紅茶は喉に残るか残らないか
国産紅茶を見る時に、一番最初に見るのは実は上記の3タイプではなく
『その紅茶は喉に残るか残らないか』です。
それだけ美味しい香りや味をしていても、喉に流し込んだ時にイガイガ感をしたり引っ掛かりを受けたりすると、気分が著しく萎えます。
今の段階では研究がまだ進んでないらしいですが、肥料過多による残留アミノ酸がこの引っ掛かりの原因になっているのではないかと言われています。
良い紅茶を作る所は、実は緑茶とまるっきり反対の栽培方法をしている所が多いです。
この喉の引っ掛かりは、『香りも味もいいのに喉に引っかかる』ということもほぼみられないので、これがクリアされてからの上記の長所の特徴になるのでないかと見ています。
紅茶の試飲をされるときは、まずはこの『引っ掛かり、イガイガ感』をみてから好みを探されるのがいいかと思います。
後編への予告
次回は、自分の180の国産紅茶ストックの中から、上記の特徴3つに当てはまるものをその紅茶の特徴を踏まえながら書いていきたいと思います。
多分、史上初の『国産紅茶分類説明』です。
グラフ等見やすい形のものをかけましたら書いてみます。
ちなみに二次元グラフで『香ばしい⇔華やか』と『ライト⇔深い』で分類できると思います。
次回更新を楽しみにお待ちください。