生まれと系統
いずみは『べにほまれの実生』と書かれています。
実生というのは『実から生まれた』という意味で、
べにほまれの畑で採れた実の中で選ばれた品種ということです。
作為的に、どの品種との掛け合わせというわけでないので、ある意味
べにほまれの濃い部分を引き継いだ品種と言えるでしょう。
ただ、これは紅茶品種ではなく、開発当初の緑茶の主な輸出先だった、
北アフリカ向けて、『釜炒り茶』の品種として育てられていました。
位置づけ
元々は、輸出用の品種として開発され、資料には『渋みにコクがあり、砂糖を入れても消えず』とあるように、紅茶としては文句のない品種であるのですが、釜炒り茶として輸出されてました。
ですが、輸出メインということは紅茶の自由化日本の輸出の低下に伴い、
紅茶としてではないですが、この品種も同じく縮小の運命をたどっていきました。
個人的には、その『海外勢と渡り合える釜炒り茶』というのを飲んでみたかったなと思います。
紅茶としての『いずみ』
べにほまれからの実生選抜なので、紅茶品種と同じ傾向になります。
見た目と最初の香りはアッサムっぽいです。
何も入れずに飲むと、あっさりしてて飲みやすいです。
そして、砂糖や牛乳を加えても、負けないお茶です。
釜炒り茶も行けるということなので、こういう品種がもっとやぶきたの代わりに普及すればいいのになと思うわけです。