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ティーバッグに関する3つの一般的勘違いについて

国産紅茶を直接売るようになって、対面で要望を聞く機会が増えました。
その中でとりわけ多いのが『これはティーバッグですか』という質問です。
国の内外問わず、ティーバッグでないと紅茶を飲まない方も多く、更に、ティーバッグに対する誤解も多く聞く機会がありましたので、国産紅茶のティーバッグの取り扱い先と合わせて、ティーバッグとは本当はどういうものなのかを紹介できればと思います。

紅茶を手軽にするティーバッグ。
でもそれは、生産者の方々の努力の結晶だということをご理解いただければと思います。

ティーバッグは安くない

誤解で一番多いのは『安いティーバッグで良いです』というものです。
ティーバッグが安いのは、安い茶葉を使っているからです。
それは大手紅茶メーカーさんの努力の賜物で、無碍に否定することは出来ません。
結果として、紅茶の裾野が広がった大変画期的な商品だからです。

ですが、普通に紅茶の葉を売るのとティーバッグで売るのとでは以下の手順の差があります。

紅茶の葉(リーフ販売):製茶→梱包→販売
ティーバッグ:製茶→計量小分け→ティーバッグ包装→梱包→販売

ティーバッグを作るには専用の機械を使います。
専用の機械は高価すぎるので、普通の茶農家さんは持ってません。
大きく販売している紅茶専門店やメーカーさん、もしくは加工を請け負う業者さんが持っています。
そこで、『ティーバッグに合うサイズに加工』と『ティーバッグ包装』そして『製品梱包』をしてもらうため、その分コスト高になります。

リーフで売るにはしなくていい費用がティーバッグにはかかってきます。
故に、国産紅茶のティーバッグはリーフで売るよりも割高になります。
国産紅茶で『安いティーバッグ』を当たり前に求めることは、相当大きく生産されている所以外では、ほぼ無理といえるでしょう。

リーフもティーバッグも同じ紅茶

『紅茶の葉ではなく、ティーバッグの紅茶でください』
という事もよく言われます。

海外の紅茶で言うと、
リーフ:OP、FOP、BOPなど形の大きなもの
ティーバッグ:CTC、D、Fなど細かくされたもの
という事になりますが、これは、CTC(球状に加工したもの)やBOP(小さく裁断したもの)など目的があって加工したものではない限り、ただ単に同じ紅茶をふるいなどを使ってサイズ別に分類しただけです。
つまり、同じ茶園であれば、大きく見ればどんなサイズでも同じ紅茶なのです。
ただ、大きな葉やその中でも品質の良いリーフは高値で取引され、細かい粉のような紅茶は比較的安値で取引されます。
(粉のようなものでも高品質な場合、高価です)

国産紅茶では、まだサイズや摘み取りロットの違いでの品質差がそこまで出ておらず、ましてや葉のサイズ別の商品開発をしていないため、葉の形をしているOPやFOPも、粉のようなDやFも混ぜられた状態で販売されます。
ティーバッグはそのような茶葉を詰めるわけですから、『ティーバッグ用の紅茶』というものは基本的に存在しておらず、普通に葉で売るのと同じ紅茶なのです。

生産量が増えて、各農家でもサイズ分けの管理がされるようになれば、変わると思いますが、現状ではそれは遠い未来の話になります。

(補足:OP→オレンジペコー、大きめの葉 FOP→フラワリー・オレンジ・ペコー、芯芽と小さめの葉 D→ダスト、F→ファイニングス、DとFはともに粉状)

『国産紅茶ではティーバッグはない』事が多い

先程も触れましたとおり、ティ-バッグにするとコストが高くなります。
例えば、ある茶農家さんは、普段50g500円(税別)で売っているのですが、ティーバッグは2g20袋入りで500円です。
ティーバッグにすると40g、約3~5杯分少なくなります。
同じ量の50g相当で売ると650円ぐらいになるそうです。

紅茶を作っている農家さんは、主に直接販売している方が多いです。
直接販売されているからこそ、買い手の気持ちをいち早く察して『少しでもお手頃に』と考えて量を調節して価格を合わせます。
買い手の方は、『ティーバッグは安いんだから、量が多く入ってて当然』と考えます。
結果として、量の少ないティーバッグに不満を感じ『農家はぼったくってる』とかんがえる人も多くいるようです。
説明が足りないということもありますが、そういう買い手の先入観で勝手に決められてしまうので、量に注目をしてあえてティーバッグを作らない農家さんもいます。
手間と量と価格の事を考えると、ティーバッグはお手頃ではありません。
あと、ティーバッグに加工すると、製造年の違う紅茶をあとでブレンドするということもできなくなります。
売り切ってしまうまで在庫として延々と残ってしまうのがティーバッグですので、作り手としては積極的に作れないというのが現状です。
ただ、『注文ティーバッグ』という形であれば、断る農家さんも少ないと思います。
そのためには、お気に入りの農家さんを見つけて、日頃から懇意に付き合いを続けていくということが大事です。

国産紅茶はまだ市場に大きく出ている商品ではありません。
こういう直接の付き合いが、『自分の国産紅茶』を得るための最適な手段と思っていただければ幸いです。

なお、ティーバッグでの美味しい飲み方(シチュエーション別)をご紹介します。
楽しいティーバッグ生活のご参考にしていただければ幸いです。
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鍋でしっかりと味を出す
外食でも安心、カップで淹れる美味しい紅茶

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