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ギャバロン紅茶の前に『ギャバロン茶』とはなにか

『GABAとは何か』から話す必要があると思います。
随分前になりますが、このGABAが『ストレスに効く物質』として流行しました。
多分一番記憶にあるのはチョコじゃないでしょうか。
この『ギャバロン紅茶』の元ネタになる『ギャバロン茶』というのは、農水省の独立行政法人で開発された緑茶製造法で、製造時に嫌気処理をすることでGABAを増加させることです。
つまり、緑茶に向けて嫌気処理をすると『ギャバロン茶』で、紅茶にするために『嫌気発酵』するとギャバロン紅茶(もしくはギャバロン烏龍茶)になります。
台湾ではギャバロン烏龍茶が作られ、吉田山でお馴染みの業者の方が毎年持ってきてくれます。
(ギャバロン茶として)

日本では、初めてですね。
多分、飲んだもの初めてです。


【この紅茶について】

この紅茶は、サイトの記事で『日本で初のギャバロン茶での紅茶』を取り上げた時に、
その製造者である小山製茶さんが送ってくれました。
正直、『珍しいもの作ってるな』程度の認識でしたが、現物を送っていただいたからには、
ちゃんと取り上げないと失礼にあたるだろうと思い、『どういうものであれ』紹介させていただきます。
飲む前の段階なのでどんなものか不思議でたまりません。

【茶葉】

国産紅茶20130927ギャバロン紅茶1

本来は、ティーバッグに入っているんですが、
毎回恒例で展開します。
例外は認めません。
やはり、繊維と茎が多く入ってますので、これは取り除くてください。
茶葉の形云々は特に言うつもりはありませんが、繊維と茎は。
こればっかりは、商品として見て欲しいなって思います。

【水色】

国産紅茶20130927ギャバロン紅茶2

水色は、少し黒目の深い赤です。
香りは、お湯を注いだときは柿のような香りが立ち上りました。
飲む今の段階では、まあ、『普通の国産紅茶』と同じかな・・・
味は、圧倒的に酸っぱいです。渋み苦味とかほぼないのがびっくりです。
温度が落ちてきてから、圧倒的に味が濃く感じるようになりました。
圧倒的に強い酸味。
3分しか淹れてないのにここまで出てくる紅茶は初めてかもしれません。
この個性の強い味に隠れてチラッチラッっとしかわからないんですが、
柿のような果実香がします。
これは、黄茶とか阿波番茶とか上手に入れられた時と同じような香りがします。
こう言うと『紅茶なのか?』と思うかもしれませんが、面白いです。
ただ、この段階では好みがわかれるな・・・とおもうんですが、
長時間淹れたらもっとすごいことになるんだろうな、なんて期待してしまいます。
(ハードル上げてみる)

長時間淹れたらどうなるでしょうか。

水色はさっきの30%増し程度。実際、濃くなった感じはしません。
香りはさほど変化なし。
味は渋みが軽く出てきて、酸味を混ざり良い感じに『お茶』になってます。
ただ、この時点で『紅茶』と思うにはちょいと厳しいかもしれません。
ですが、風味的にも『番茶』というにも言えません。
ギャバロン茶は随分飲んでますが、完全に顔色が違います。
レモンを淹れたらGABAが分解されてしまうか気にはなりますが、
味的にはレモンティー向きです。
砂糖には負けるかもしれませんが。

【茶殻】

国産紅茶20130927ギャバロン紅茶3

茶殻は開いた系です。
裁断して測りやすくなってるのは良いです。
茶葉フリークの方は裁断されるのが嫌な人が多いですが、
僕は測りやすさや抽出の面を考えるとこれは全く問題ないと思ってます。
お茶の品質は、『栽培』と『製茶』だと信じて疑いませんから。
こう言う面白い紅茶がもっと出てきてくれることを祈ります。

後、贅沢言えば、『紅茶らしい香り』の追求もしてほしいな・・・
健康茶としていいと思います。しばらくは。
ですが、最終亭には『人の情動に訴える紅茶』が生き残る傾向にあります。
マーケティングであれ、製品特徴であれ。
まだ、ギャバロン紅茶は紅茶の世界でも入口に立ったばかりの商品だと思いますので、これからの発展をお祈り申し上げます。


追伸
このギャバロン紅茶に含まれるGABAの量が書かれていたので、
こちらに書きます。
159mg/100g
急須(もしくはポット)1回につき、5~6gつかいますんで、全部水溶されるとすれば7.95mg~9.51mgって事ですね。
僕自身、GABA製品に詳しくないのでこれが多いのか少ないのかはわかりませんが、新たな健康へ向けた切り口としては、いいのではないでしょうか。

ちなみに、山鹿はこれの他に古くからのお茶の産地でもあるそうで、ギャバロン紅茶じゃない国産紅茶も数多く作られているそうです。
一度は途絶えてしまった国産紅茶の芽を『国産紅茶スタートの地の一つ』として復興されることを期待しております。

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